銃を所持する手順は、大きく以下のステップに分かれます
- 欠格事由に注意
銃の所持許可が欲しくても、過去数年内に犯罪歴がある人や 、精神障害や認知症など特定の病気のある人、アルコールや薬物の中毒者、住所不定者、自己破産者などは、「欠格事由」に該当する人は申請が通りません。逆に言えば所持許可がもらえる人は社会的信用のおける人なのです。欠格事由は「銃砲刀剣類所持等取締法」という法律(通称「銃刀法」で定められています。
STEP1 「猟銃等講習会」… 講習会と学科試験
まずは「猟銃等講習会(初心者講習)」の受講準備から
①はじめに必要なのは「猟銃等講習会(初心者講習)」の受講申請です。住所地を管轄している警察署生活安全課(等)の銃砲担当者に、申請に必要な書類を事前に確認しておきましょう。申請時にはその場で簡単な面談があります。銃砲担当者が不在だと受け付けてもらえませんので、書類や手数料の準備ができて申請に行く前には必ず電話で確認を取ってください。面談で銃の所持目的を訊かれたら、はっきり「クレー射撃をしたいから」「標的射撃が目的です」と伝えましょう。所持目的が不明な申請や、コレクションのための申請は受理されません。
「考査」に合格しましょう
②初心者講習会は主に警察署で行われ、前半は講義、後半は考査の受験となります。講義は法律の重要ポイントや銃の安全な取り扱いについての解説、考査は〇×式で50問。45問以上の正解で合格となり、早ければ当日に「講習修了証明書」が交付されます。銃を所持するにふさわしい人物かどうかもチェックされていますから、受講のときの身なりや態度にも気をつけてください。
- テキストで予習しておく
申請が受理されると「猟銃等取扱読本」というテキストが渡されますので、講習会の開催日までにしっかり目を通して予習しておきましょう。講習会では最後に〇×式の考査が行われます。
STEP2 「射撃教習」… 射撃場で安全な銃の扱いを学ぶ
「射撃教習」の準備をしましょう
①必要なのは「教習資格認定申請」と「猟銃用火薬類等譲受許可申請」です。これは「猟銃等講習会(初心者講習)」と同じく、住所地の警察署で申請を行います。「銃用火薬類等譲受許可証」とは「射撃教習」のときに使用する「散弾実包」を購入するための申請です。無事に申請が通ったら、「射撃教習」を実施している射撃場と開催スケジュール、装弾販売所の有無を調べて電話で予約を入れておきましょう。
「散弾実包」(タマ)を購入しましょう
②「射撃教習」では実射で「トラップ」「スキート」種目のどちらかを選択して行いますが、それぞれ使う「散弾実包」が異なるので注意してください。「猟銃用火薬類等譲受許可証」ではどちらでも購入可能で、トラップは「12番7.5号(ナナハン)」、スキートは「12番9号」を最寄りの銃砲火薬店で購入しておきましょう。
- 事前確認が重要
予約した射撃場によっては装弾販売所が併設されていますからその場で購入することもできますが、教習当日に装弾販売所が営業しているか事前確認はしておいたほうが良いでしょう(お休みだと教習がうけられないことに…)。なお「射撃教習」が終わったら、「猟銃用火薬類等譲受許可証」は警察署に返納しなくてはなりません。
射撃場で「射撃教習」を受けましょう
③安全に銃を扱う技能を習得するのが「射撃教習」の目的です。まず銃と装弾の仕組みと扱い方、射撃時のマナーなどを講義とテキストで学び、その後、射撃場の銃を借りて実射を行います。実射は「トラップ」「スキート」のどちらかを選んで行い、トラップなら25枚中2枚、スキートは25枚中3枚のクレーに当たれば合格です。合格すればその場で「教習終了証明書」が交付されます。
- 安全第一
はじめて銃を撃つのに当てなくてはならない…緊張とプレッシャーの場面…ですが、「安全第一」です。試験官はあなたが自分だけでなく、周囲にも気を配り「安全に行動しているか」に注目しています。
STEP3 「銃の申請」… 銃砲店で欲しい銃を決めて申請
所持許可の交付には、持ちたい銃の申請が必要
①ここまで来れば、あとは「銃砲所持許可申請」を残すのみ。銃の口径、長さや装弾数などに法律上の決まりがあり、申請書にどんな銃を所持するかも明記しなくてはいけません。つまり購入する銃が決まらないと申請書も作成できないということです。ですので、まず銃砲店に足を運び、店主にやってみたい種目(トラップ、スキート)を伝えて、実際に購入する銃を選定予約します。まだ種目が決まってない方は店主に相談してみるのもよいでしょう。「トラップ」「スキート」ともに競技で選手が使用している銃は、口径12番、上下二連で中折式の散弾銃です。おそらく銃砲店にはたくさんの新品と中古がありますので、自分に合うサイズ(特に重要)、予算、好みのメーカーや見た目でさらに絞り込んでいきます。もしその銃砲店で条件に合うものが無いのであれば無理をせず、他の銃砲店で納得いくものを選んでください。銃が決まれば銃砲店で申請書類を一式作成してくれるはずです。他の必要書類をそろえて警察署に申請しましょう。
保管設備も忘れずに
②加えて銃を自宅で保管するには法律で定められた基準をクリアしている「ガンロッカー」「装弾ロッカー」も必要になります。購入する際に警察署への申請は必要ありません。ネット通販で入手する方法もありますが、訪れた銃砲店であわせて購入しておくことをおすすめします。
- 親切な銃砲店を探しましょう
銃砲店では銃の販売以外に、装弾、保管設備(ロッカー)、メンテナンス用品、ガンケースや装弾ケース、キャリーバッグ、射撃ベストやキャップなどのアパレル品、シューティンググラスなどのアクセサリー類も取り扱っています。所持許可の更新や各種申請についても相談に乗ってくれるでしょう。射撃大会やシューティングクラブを主催している銃砲店もあります。やはり親身に相談に乗ってくれる店を見つけるのが大切です。できれば初心者講習会の時点からいろいろな銃砲店を訪ねて、自分と相性の良い長くお付き合いできそうな店を探してみましょう。それはあなたのシューティングライフをより豊かなものにしてくれることでしょう。
STEP4 「所持」… 許可がおりると初めての銃が
銃を受け取り、警察署で確認
①銃の選定が終わり、住所地管轄の警察署に申請し「猟銃・空気銃所持許可証」が交付されたら、ようやく銃の受け取りが可能になります。交付後3ヵ月以内に銃砲店から(中古の銃を譲り受ける場合、その所持者から)銃を受け取りましょう。また銃を受け取ってから14日以内に管轄警察署に銃を持参し、実物の銃と所持許可内容に違いが無いか確認を受ける必要があります。これが済んだら、いよいよ射撃場でクレー射撃を楽しめるようになるのです!!確認で警察署に行った際、いっしょに装弾を購入するための「猟銃用火薬類等譲受許可証」を発行してもらいましょう。
必要なものをそろえましょう
②銃の受け取りに銃砲店に行ったとき、メンテナンス用品(潤滑保護オイル、クリーニング用品など)もそろえておきましょう。そのほか、射撃ベスト、耳を保護するプロテクターや耳栓は購入しておきたい必須アイテムです。射撃場でもいろいろなグッズを販売しています。射撃場に行くといろいろなシューターに会えますので、彼らが使用しているものを参考にするのも良いですね。
Congratulation!!いざ射撃場へ!!
③それでは早速、最寄りの射撃場に行ってクレー射撃を楽しみましょう!!射撃場は特に土日祝日が猟友会や射撃クラブ、日本クレー射撃協会主催の公式大会などで予約されていて、それ以外の方は撃てないことがありますので事前に射撃場のホームページや電話でスケジュールを確認しておいてください。射撃場を探すなら、日本クレー射撃協会の [公認射撃場] もチェックしてみてください。これまで講習や教習で学んできた法令とマナーを遵守してシューティングライフを満喫してください。みなさん、射撃場でお会いしましょう!!