~10月25日(大会2日目)~
トラップ種目
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上位陣は繋ぎの4ラウンド目を22点前後であがり、ファイナル進出を掛けた勝負の5ラウンド目へ突入。射団1組目の井上恵選手、柏木選手は5R合計114点で早々にファイナル進出を決めたが、3位以下は接戦となり、5組目の結果が出るまでわからない状況に。
結果、予選3位に竹中選手。予選4位は5ラウンド目に24点を出し9位から浮上した髙橋清選手。
ファイナル進出を掛けた5、6、7位争いは競射となったが、予選5位は川邊選手、予選6位は二上選手が勝抜け、5ラウンド目に19点で競射に回った田村拓也選手が惜しくも7位となった。
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ファイナル前のアトラクションは『音心伝心』(おんしんでんしん)をモットーに、どんな人にも楽しんでいただける音楽を届けられるよう日々活動している、伊勢原市の私立向上高等学校吹奏楽部による演奏が行われた。
数々のコンクールで受賞実績がある実力通り、発砲音がおさまった静寂な中、伊勢原射撃場中に響き渡る見事な演奏でファイナル前の雰囲気を一気に高めてくれた。
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高橋会長以下、協会幹部が見守る中、何とも言えない緊張感の中、井上恵選手の一射からファイナルはスタートした。
序盤出割れによるノーターゲットが続き、選手は中断を余儀なくされる中、各自それぞれに集中力を保ち得点を積み上げた。
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ファイナルの第1ステージは序盤に3連続ミスをした二上選手が6位。予選2位の柏木選手は5位にとどまり、ファイナルで第1ステージから第3ステージにかけて9連続命中していたものの第3ステージに手痛い4連続ミスをした川邊選手が4位。
ブロンズメダルマッチの第4ステージは3人とも4点を積み上げ、髙橋清選手が3位となった。
ゴールドメダルマッチの第5ステージは井上恵選手と竹中選手の戦いに。二人は第1ステージからほぼ1点差以内で1位2位を交互しており、1点井上恵選手リードで最後の10枚勝負を迎えた。同点で迎えたファイナル50枚目、先行の井上恵選手がターゲットを外したのに対し、竹中選手は見事ターゲットを撃ち抜いた。
「とったぞー!!」。小躍りする竹中選手に仲間から祝福のウォーターシャワーが浴びせられた。
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~10月25日(大会2日目)~
スキート種目
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4ラウンド目、折原梨花選手が満射を達成し、前日の3ラウンド目に続き、50ストレート賞を獲得。1日目9位の西川選手は、後半2Rを21点、20点にまとめ、ファイナルに進出した。
東京五輪内定の石原選手は、後半2Rを21点、20点と巻き返せず14位、今年全てのブロック別本部公式大会で表彰台に上がった柳選手は、今大会調子が上がらず17位で大会を終えた。
ファイナルは、BIBナンバー順に1脇屋昴、2丸山和成、3折原梨花、4折原研二、5西川良幸、6井川寛之の各選手が進出。
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ファイナルの第1ステージで予選上位3名が出遅れ、そのまま6位折原梨花選手、5位丸山和成選手、4位脇屋昴選手が確定。メダルマッチは予選4~6位の3選手での戦いとなった。
第2ステージを終えた時点の順位は西川、折原研二、井川選手の順。しかし、第3ステージから第4ステージにかけてノーミスを続けた井川選手がトップに立つと、まず3位に西川選手が確定。
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通算11回目の全日本選手権優勝をめざす折原研二選手と井川選手のゴールドメダルマッチは1点を争う展開となったが、最後は井川選手が東京五輪内定選手の意地を見せ、見事全日本選手権タイトルを獲得した。
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後半第3~第5ステージにかけての30枚戦は29点と抜群の勝負強さだった。
何度もこぶしを挙げてガッツポーズをする井川選手は、観戦者に深々と頭を下げ、満面の笑みを浮かべた。
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